本研究は、カプセル内視鏡を実施している多施設からデータを集め、多数例を解析することにより消化管疾患の特徴を正確に把握し、病気の診断・治療方針の決定に役立つ指標を確立することを目指しています。
大腸の腫瘍性ポリープを内視鏡で切除することは大腸がん発生を抑制することが知られていますが、大腸にはひだや屈曲が存在するため死角が多く、平坦な病変などは通常の内視鏡検査では指摘が困難なことがあります。これらの病変を認識しやすくする内視鏡の一つとしてAFI(autofluorescence imaging; 自家蛍光)内視鏡が開発されました.これはすでに国内で販売されており、従来の内視鏡よりも平坦な病変を見つけやすいとする報告もあります。本研究では、当院を含めた国内10施設でAFI内視鏡による観察が、従来の観察法と比べて平坦な腫瘍をより発見しやすくなるかどうかを検証します。
本研究はクローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患の発症に関係する遺伝子や、薬の効き目や副作用に関係する遺伝子を明らかにすることを目的とした研究です。
「潰瘍性大腸炎に対するサーべイランス内視鏡検査による大腸癌の自然史(研究責任者 福岡大学筑紫病院消化器内科 松井敏幸)」に参加しています。 本研究は潰瘍性大腸炎関連性大腸癌(colitis-associated colorectal cancer)の自然史を解明することで、病変の発育進展を明らかにし、効率的なサーベイランスを確立することを目標とした多施設共同研究です。
本研究は、クローン病、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患患者対象の登録研究です。実際の診療データを元に炎症性腸疾患の実態を明らかにすることを目的としています。
本研究は、アダリムマブと免疫調節剤の併用治療を行っており、一定の基準を満たして病状が安定しているクローン病患者さんにおいて、免疫調節剤を休薬する場合と継続する場合で比較検討し、将来のより良い治療法を選択することを目的とした多施設共同研究です。
当科および共同研究施設において好酸球性食道炎もしくは好酸球性胃腸炎と診断された患者様を対象としています。本研究では、これらの疾患になりやすい素因を明らかにし、その病因を理解し新たな診断や治療法の開発につなげるために好酸球性食道炎と好酸球性胃腸炎の患者さんの遺伝子全体と遺伝子産物を統合的に解析し、これらの疾患でない方の遺伝子や遺伝子産物と比較します。
クローン病において症状を有する小腸狭窄に対する薬物療法と内視鏡治療の効果を比較する研究です。
時間依存性メサラジン顆粒製剤」と「pH依存性メサラジン錠剤」による大腸の粘膜内の5-ASA及びアセチル5-ASA濃度を比較し、治療効果への影響を検討する研究です。
比較的まれな疾患である非特異性多発性小腸潰瘍症(CEAS: chronic enteropathy associated with SLCO2A1 gene)に関する研究です。
炎症性腸疾患に関連して発生する腫瘍について臨床病理学的特徴や予後不良因子、適切なサーベイランス方法や治療方法を多施設で遡及的に検討する研究です。
クローン病は生まれながらの体質(遺伝的素因)や日々の生活で受ける影響(環境因子)により発症すること、また薬剤に対する治療効果も差があることが知られています。本研究は、さまざまな遺伝子多型(一般的に認められる遺伝子配列のバリエーション)や遺伝子が受ける修飾(エピゲノム)について調べます。クローン病の方で、インフリキシマブ(レミケード)やアダリムマブ(ヒュミラ)といった抗TNFαモノクローナル抗体製剤の治療が有効な方とそうでない方の間で違いがある場所を探すことで治療効果と関係する遺伝子を調べようとするものです。
ベーチェット病になる原因は不明ですが、生まれながらの体質(遺伝的素因)が発症に関わってくることが言われています。一方で、腸管が病変の主体である腸管ベーチェット病や、腸の潰瘍のみが存在する単純性潰瘍においては、一般的なベーチェット病と比べて遺伝的素因に違いがあることがわかってきました。本研究では、腸管ベーチェット病および単純性潰瘍の患者さんを対象として、さまざまな遺伝子多型(一般的に認められる遺伝子配列のバリエーション)について調べることで、腸管ベーチェット病および単純性潰瘍に関わる遺伝的素因を突き止めることを目標とします。
潰瘍性大腸炎やクローン病を代表とする炎症性腸疾患(IBD)では、静脈血栓塞栓症の頻度が高いことが欧米からの大規模研究で明らかにされています。本研究は、全国多施設に通院していたIBD患者を対象として血栓症合併の有無、重篤化・死亡症例の実態を把握することとその危険因子を明らかにすることを目的とした研究です。
本研究では、九州大学病院消化管内科および共同研究施設において早期消化管癌に対してESDを施行された全ての症例を対象とし、データベースの作成と解析を行い、良・悪性の境界病変や術前診断が困難な分化度が低い癌に対するESDの適応、偶発症への対策、長期的な成績など評価の定まっていない課題についての検討を行います。
平成24年3月31日までに先進医療として当院で大腸ESDを施行された患者を対象としています。本研究は、治療後10年にわたり1年ごとに予後調査を行い長期予後について検討する多施設共同研究です。
消化管ポリポーシスと遺伝性大腸癌患者を対象とし、病理学的特徴、分子遺伝学的特徴、治療法や予後を調査する多施設共同研究です。
A型胃炎に合併した胃カルチノイド患者を対象とし、病理学的特徴、治療法や予後を調査する多施設共同研究です。
本研究は、消化管悪性リンパ腫の発生および進展に関与するマイクロRNAが、治療効果や予後に影響を及ぼすかどうかを調べる研究です。
本研究では、消化管悪性リンパ腫患者の登録システムを作成することにより、臨床病理学的特徴、分子遺伝学的異常と各種治療法の有効性、予後との関連を解析し、その後、追跡することで検証を行う研究です。
本研究では、消化管悪性リンパ腫患者の腫瘍細胞における分子遺伝学的異常の有無が、病気の進行度、治療の効果や生命予後などの臨床像と関係があるのかどうかを調べる研究です。